建部巣兆

建部巣兆筆「東雲や」句画賛幅

冨田鋼一郎

「東雲や」句画賛幅

H28.2 x W22.4 (cm)

しののめやあじろあじろの親父ども 巣兆 印「松甫」

季語:網代(冬)
冬の明け方、網代漁にでかける男衆の浮き立つ気持ちが、「あじろあじろ」と繰り返す言葉で伺うことができる。縁先から網代を眺める親父の姿はどこかユーモラスだ。しののめと網代の愉快なことば遊び。

「しののめ」の「め」は、原始的住居の明かり取りの役目を果たしていた網代様(あじろよう)の粗い網目のことで、篠竹を材料として作られた「め」が「篠の目」と呼ばれた。これが明かり取りそのものの意になり、転じて夜明けの薄明かり、さらに夜明けそのものの意になった。

建部巣兆(たけべそうちょう1761-1814)
江戸後期の俳人。

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
記事URLをコピーしました